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2018-04-22(Sun)

横須賀市衣笠町ウォーキング ②衣笠城址と三浦一族ゆかりの史跡

①横須賀市衣笠町ウォーキング ①衣笠山公園(衣笠さくら祭)【はいふり】

衣笠ウォーキング後編は、ちょっとディープなスポットばかり。
まずは衣笠山公園を下り、道路を挟んで向こう側にある衣笠城址に向かいます。

「城」と言うと姫路城や彦根城などといった、優美な天守閣、緻密に積まれた石垣をイメージする方が多いと思います。
この衣笠城は、天守という概念が一般化するより遥か昔、1062年に三浦氏の祖・三浦為通が生んだ山城です。
山の地形がそのまま石垣や濠の役割を果たしているので、見た目は本当にただの山という感じ。

三浦氏は本ウォーキングの主題となる一族。
前九年の役(源頼義・「八幡太郎」源義家が平定した陸奥での反乱)で活躍した三浦為通が、頼義から相模国三浦の領地を与えられたことから力を持ち始めます。
源氏に仕え、鎌倉幕府では要職に就き全盛期を迎えるものの、源氏に代わって幕府を動かし始めた北条氏に目を付けられ、1247年、三浦泰村の代に宝治合戦で滅亡。
なお、滅亡させられるのも納得するくらい乱暴だった模様(あくまで記録上だが)

この衣笠町には至る所に三浦一族ゆかりの史跡があります。
それを巡るのが、本ウォーキング真の目的である。


…もう充分山道は上り下りしたのに、いきなりこの階段が立ちはだかりゲンナリ。
しかも階段を登った先は…
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ホントにただの山だよ!!
いやキツい。運動不足の身にこれ程響くものはない。
急だし、段差多いし…こりゃ攻めるのも一苦労だ

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道中、一瞬開ける視界。
ここぐらいしか空を見渡せる場所がないです;
景観目的で行く意味は皆無。ひたすら無言で登るのだ…

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…登頂!!
この年期の入った石碑をずっと見たいと思っていたのだ…

ここ衣笠城は大きな戦いの舞台となりました。それは、衣笠城合戦です。
世は治承・寿永の乱(=源平合戦)まっただ中。4代・三浦義明は頼朝を支援します。
しかし、平家側・畠山重忠とぶつかり手負いの状態になり、衣笠城を責められ陥落。
当時89歳の義明は、仲間と一族を逃がして1人城に残り…凄絶な最期を遂げたのです…

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石碑の後ろにあるのは物見岩
ここで見張りをしていたのだろう

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申し訳程度の桜が咲く詰の城
城址とは言っても、遺構はほとんど残っていません。流石に平安時代の城なのでしょうがないでしょう。
しかし、「自然そのままの姿だけ」残っているのが実に良い。
正に「埋もれた古城」。この雰囲気が心地いいと感じられれば立派な歴史オタクであろう。

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後述する大善寺は、行基(東大寺大仏の造立に協力した僧)が、衣笠山に金峯蔵王権現と不動明王を祀り、その別当として建てられたと言います。
その遺構はひっそりと詰の城に。
案内も何もないので、予習してないと見落とすこと必死;

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石仏やよくわからない台も当時のものだろうか。
一つ一つがとても貴重なもののように思えてくる

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御霊社に手を合わせる。厳かなことこの上ない。

大楠山へと繋がるハイキングコースにもなっているため、思ったより人通りはありました。
ううむ…ちょっと登っただけで息切れしてる僕にはなかなか苦しそうなルートだ…

詰め城を降りたところには、大善寺があります。
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728年建立。三浦氏の学問所として機能していたようですね。
先述の不動明王は「矢取地蔵」と呼ばれています。
これは、後三年の役(陸奥・出羽での戦役。奥州藤原氏が登場するきっかけとなった。三浦氏は源義家に就く)で2代・三浦為継が、敵の放つ矢から守られたという言い伝えから。

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開山者の行基に関する伝説も残っています。
水に困った行基が、杖で岩を穿った際に湧き出たという不動井戸です。

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不動様が見てる。
城では生活用水として使われたそうです。

また、この近くの民家内には旗立岩があります。
合戦時に幟旗を立てた巨大な岩で、現在は祠がちょこんと置かれています。撮るの忘れた…orz

ここからはようやく普通の道…なんだけど、大通りに出るまでは激烈に急な下り坂で足先が死にました…そりゃあれだけ登った分は下ることになるよね…
登りも下りも大ダメージだよ…

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大通りに出る前には咳地蔵があるので忘れずに。
衣笠城合戦でのお話。三浦近実は敵軍の金子与一を組み伏せました。
絶好のチャンス、味方からの加勢がきて問いかけられます。「三浦与一殿は上か下か!?」
答えようとした…しかし、風邪をひいていた近実は「おっおっ」と咳き込んでしまい…その一瞬を付かれて敗北。何ともあっさりとした最期を遂げる… おっおっ( ^ω^)( ^ω^)

この地蔵は咳に効くとされます。
風邪をひいていなければ死ななかったかもしれない近実。自分の悲劇を繰り返されないようにと、彼が治してくれるのかもしれない…

ここからは大通りを東にひたすら歩きます。駅で言うと久里浜駅方面。
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交差点には城址入り口の石碑も。どこから入ってもキツイんだよなぁ…

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満昌寺は三代・三浦義明が眠る場所。1194年建立。
最期まで城で戦い続けた義明は、歴代一族の中でも特に敬われているのでしょう。
ちなみに、玉藻前(九尾の狐)討伐メンバーだったりします。

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祀られている木造の義明像は重要文化財指定。
予約を入れれば墓と共に見学できますが、今回は桜だけ見て退散。。。

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近殿(ちかた)神社は6代・三浦義村が祭神。
鎌倉幕府では評定衆(合議制の政治を行う集団)に参加した強者です。

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境内には浅間神社 幟旗の礎石が。
センゲン山と呼ばれる山が付近にあったようですが開発で消失。
また、多くの神社に置かれていた幟旗礎石も失われてしまい、ついにはこれが最後の一基に。
なくなっても気にならないかも。しかし、全てが失われてしまうのは危険なことなのですよ…

義村に関する史跡がすぐ近くにあります。
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薬王寺旧跡は父・三浦義澄の13回忌、叔父・三浦義宗の50回忌に菩提寺として建立されましたが、1876年に廃寺。

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現在は義澄の墓といくつかの石塔や地蔵が残されるのみ。
薬師像(本尊)、義澄・義宗の霊碑は先述の満昌寺に移されています。

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入り口からちょっと外れたところには駒繋石が。なるほど、手綱を繋いだから、くびれができているのね。
要するに、参拝者のパーキングだったということか。
…説明書きを…説明書きをくれ…見落としちゃうから…(切実)

近殿神社の向かいの小道に入ってちょっと登ると、清雲寺
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3代・三浦義継が2代・為継供養のために開基。
加えて、初代・為通と義継自身の墓もここに並んでいます。
2人の墓はもともと円通寺(為通開基、この近くにあった)にありましたが、海軍要地となったので移動(1939年)したとのこと。
…見られるかと思ったら、どうやら予約していないとダメらしかったです…残念。

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実はここ、芥川龍之介が晩年に訪れています。この景観を好んでいたとのこと。
不安に苛まれ続けた晩年、何を考えながら足を踏み入れたのだろうか

もう久里浜がだいぶ近くなってきちゃいました。どうせならってことで、行く予定はなかった腹切松公園
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物騒な名前の由来は、満昌寺に祀られている三代・義明に関する伝説から。
衣笠城合戦の、一族を逃がして城で最期を遂げたという言い伝えの他に、円通寺を臨む松の木の下で切腹した、とも伝わります。
愛馬が突然ここで立ち止まったことで、己の運命を悟ったそうです…
現在の松は2代目(樹齢40年)。初代は大人3人が手を繋いだぐらいの太さだった模様。
石碑横の、のっぺりとした石は駒止石と名付けられて2つありましたが、内1つは行方不明。。。

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桜はこの日一で綺麗でした!

以上で三浦氏史跡巡りは切り上げ。
もう少し歩けば他にも寺社があるんだけど、時間がアレなので戻ります。

桜をもう一回見るため、衣笠山公園をまた登り…(正直、疲れすぎて途中で後悔した)
行きに見落としたものを回収します。

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西田明則君之碑は、あの山県有朋から絶対の信頼をおかれた建築家を讃えます。
下部にある陸軍元帥・上原勇作の書では、主に東京湾の第一~第三海堡建設に触れています。
海堡とは、人工島に砲台を置いた海上の要塞。富津岬沖(千葉)~横須賀にかけて3か所に配置。
維新の世、海防も大きなテーマでした。そこで呼ばれたのが西田氏。
最新の技術を取り入れたその造りは、後の建設技術に大きな影響を与えました。
海堡周辺は現在も釣り人に親しまれております。なお、立ち入りは一切禁止である。
史跡好きとしては、「鉄腕DASH」でTOKIOが上陸してたのが羨ましすぎる。。。

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ラストは衣笠神社
衣笠の地にいくつか点在していた神社が「一村一社制」で合祀(1912年)した姿。
岩場の上にちっこい伊勢宮の祠がありますが、登る時は転ばないように気をつけてください。。。 境内でも岩を登らされるとは…

というわけで、改めて衣笠山公園は制覇。。。
普通に行けばこんなアホな遠回りはしなくてよかったものを…

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朝遠目で見た桜並木の下を通って帰ります。
これが今年最後の桜並木だー。次に衣笠来るときは、満開を狙わなければな。。。

他、この日の花いろいろ

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以上、衣笠と三浦氏を貪りつくす旅でしたー。
念願の衣笠城址は非常にハードな道のりでしたが…行った価値は最高にありましたね…
権力を持った時代もあれば、無残に散った戦いもある。
日本史教科書では名前こそ出てくるも、深堀りはされない三浦氏のドラマを堪能しました。もっと流行るべき!


では。


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アニメ・ゲーム・麻雀・野球観戦で生きる日々。主食は百合と日本史。

ポケモンGOをはじめ、スクフェス・ぷちぐる・デレステ・ミリシタ・ガルパ・ポケ森・きらファン・グリモア・ららマジ・オルガル・マギレコ・アズレン 他スマホゲー飽和状態…

秋アニメは RELEASE THE SPYCE、SSSS.GRIDMAN、ゴブリンスレイヤー 推し

去年は けものフレンズ/ガヴリールドロップアウト/エロマンガ先生/NEW GAME!!/ラブライブ!サンシャイン!!/ブレンド・S/このはな綺譚 にハマりましたー

細々とやってきます。。。



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